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メッセージ:実業団駅伝の開催準備に際して (2020.09.29)
【実業団駅伝の開催準備に際して メッセージ】
2020年9月29日
一般社団法人日本実業団陸上競技連合
タスキをつなぎ続けるということ
駅伝競走は、「走る」というシンプルな行為に、1本の「タスキ」が加わることで、チームメートへの「信頼」、ライバルたちへの「敬意」、大会を支えてくださる方たちへの「感謝」を伝えることができるスポーツであり、文化です。コロナ禍の社会にあって、駅伝文化という「タスキ」を途切れさせることなく、どうすれば次につなぎ続けることができるか、考え続けています。
女子の全日本大会「クイーンズ駅伝」は、2011年の東日本大震災が起きた年に宮城開催がスタートするめぐりあわせとなりました。駅伝を通して、被災地の方たちを勇気づけたい、という使命感をもって、昨年までの9年間、大会に臨んできましたが、復興に取り組む方たちの誠実でたゆまぬ姿に、選手たちの方が励まされ、多くのことを学ばせていただきました。
そのクイーンズ駅伝を目指す予選会が「プリンセス駅伝」です。選手たちは、チャレンジすることの大切さ、多くの人に支えられて心身の成長があることを学ばせていただいています。
元日に行う「ニューイヤー駅伝」は、1年の始まりにあたって、時には強い向かい風をものともせずに100キロという長丁場を駆け抜け、タスキに託した信頼という原点を忘れずにいるための、かけがえのない舞台となっています。
たとえば、クイーンズ駅伝は出場チーム数が「22」と限られ、出場企業の応援自粛協力など、感染症予防対策に万全を期すうえで、多くの協力が得られる態勢となっています。
コロナ禍は社会の各層に「分断」という悪影響を及ぼした――と言われています。公道をお借りしてのロードレースは、例年以上に開催地の皆さまのご協力なくしては開催できません。
皆さまのご支援を受けながら、駅伝のシンボルである「タスキ」に託した相互理解、相互信頼の大切さを、実際のレースを通して、改めて開催地の皆さまや全国の駅伝ファンに伝えることができればと考えます。そのチャンスを、実業団の選手たちに与えていただきたく、ご協力、ご支援をお願いするしだいです。
新型コロナウイルス感染症の状況しだいでは、中止を判断することもあります。事態を慎重に見極めながら、準備を進めさせていただきます。